80's New Wave Laboratory

80年代のニューウェイヴ音源を中心に、近況やYouTube映像などを交えてレビューを書いています

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Anne Pigalle/Everything could be so perfect...

Anne PigalleEverything Could Be...
Anne Pigalle

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今日紹介するのは、アン・ピガール [ Anne Pigalle ] の『Everything could be so perfect...(邦題:青春の彷徨)』です。

彼女は、1985年にトレヴァー・ホーン主催のZTTレーベルからシングル「He! Stranger(邦題:異邦人)」でデビューし、同年、デビュー・アルバムである本作『Everything could be so perfect...』を発表、ワールド・ツアー後(来日公演もありました)、あっさりと表舞台から消えてしまった伝説とも言えるアーチスト。

なお、英国盤では「He! Stranger」の他にも、珍しい10inchのマキシ・シングル「Hot Sagas」と「Why Does It Have To Be Way...」のシングルも発表されています。

本作は、9曲中6曲が英語、3曲が彼女の母国語である仏語で歌われており、素人耳でもわかるフランス訛りの英語のせいなのか、生まれもってのものなのか、アルバム全体を通して独特のアンニュイ(死語?)な大人の雰囲気を漂わせています。

アルバム全体の出音としては、ZTTらしさを感じる大袈裟な空間処理やアレンジが施されているものの、ジャジーなピアノとストリングスが前面に出ているため、当時の一連のZTTアーチストとは別物で、曲調は暗めながら非常にムーディーなイメージが残ると思います。

わかりやすく言えば、ドイツっぽさを感じさせるプロパガンダ [ Propaganda ] に対して、フランスっぽさを前面に出したZTT作品といったところでしょうか。

60年代の映画音楽のようなムーディーさと、フランス系アーチストの持つ独特のアンニュイさ、そして80's UKならではのゴージャスな空間処理と電子楽器の音、それらを、シャンソンやワルツなどで味付けをしたような音楽です。

個人的には、ZTTの作品群の中でプロパガンダと並んでダントツの大好物でして、近年、私がプロデュースしたファッション・ショーの最終シーンでこの「He! Stranger」(12inchバージョン)を使ったほどなんですよ。

いや~、発表から20年以上経っているというのに、何度聴いても飽きることがありません(笑)。

そんな作品だけに、最初に書き始めたライブドア版の音楽ブログ「80's UK New Wave」でも、開設当時から紹介したかった作品のひとつだったのですが、残念なことに、すでに廃盤となっており、商品自体がアマゾンになかったため、なかなか記事に出来なかったことを覚えています。

最近になってZTTからリイシューの話があったそうですが、彼女はそれを拒否したそうですので、恐らく、二度とプレスされることはないと思います。

残念ながら、YouTubeでも映像は存在せず、アマゾンで試聴することもできませんが、ここまでのお話を読んでピン!とこられた方は、間違いなく買って損をすることはないアルバムだと思いますよ。

ちなみに、以前、「He Stranger」が、日本の高級車のTVCM(車種は忘れました)で流れたことがありましたので、アンを知らないという方でも実際に聴いてみると案外耳に残っているかも知れませんね。


さて、ここで彼女がデビューするまでの経緯を紹介しておきましょう。

アン・ピガールは南フランスに生まれ、5歳でパリに移り住み、13歳で早くもバンドを結成、この当時からイギリスの音楽シーンに興味を持っていたそうです。

20歳になると意を決してロンドンに移住(1980年前後だと思われます)、その頃、本作でほとんどの楽曲を制作しているニック・プリタス [ Nick Plytas ] と出会い、ヴィア・ヴァガボンド [ Via Vagabond ] というユニットを結成しています。

なお、相方ニック・プリタスのソロ・デビュー・シングル「Who Likes Jazz?」は、元々、インディーズ・レーベルから先述のヴィア・ヴァガボンド名義でリリースした曲だそうで、ボーカル部分のないインスト曲ながら、当時恋仲だったアンとニックの声で「ジャッ、ジャーズ♪」というコーラスが入っているのだとか。

また、本作に収録された楽曲は、アン自身が作詞、作曲した「Looking for Love」以外、全てニック・プリタスの作曲となっており、「Via Vagabond」というその名もズバリの曲名も存在することから、ヴィア・ヴァガボンドにおいてすでに完成していた楽曲を新たにZTTレーベルの手を借りて発表したようにも感じられます。

ただ、ヴィア・ヴァガボンドというユニットに関する情報があまりにも少ないため、いずれも確証は得られていません(間違っていたらごめんなさい)。


話は前後してしまいますが、ZTTレーベルとの出会いは、ヴィア・ヴァガボンドでいろんなレコード会社にデモテープを送ったところ、ZTTの広報を担当していたポール・モーリー[ Paul Morley ] だけが興味を示し契約に至ったそうです。

しかし、本作はヴィア・ヴァガボンド名義ではなく、あくまでもアン・ピガールのソロ。

ニック・プリタスはZTTの所属アーチストになることを拒否したそうですので、結果的に、アンのソロ名義のアルバムをサポートする形で関わったのだと解釈しています。

ま、2人の恋愛関係が破局しているのもこの頃ですので、そういった事情もあるのかも知れませんが…。

ちなみに、アンの契約が決まったのは、同じくZTTから1983年にデビューしているフランキー・ゴーズ・トゥー・ハリウッドの契約よりも前の話だそうですから、本作の制作にいかに時間がかかったのかがお分かりいただけると思います。


ところで、アンの歌声は、悪く言えば微妙に音程が合っていないようにも感じられるのですが、語りかけるようなシャンソン風の歌唱法と考えればそれも納得がいきます。

雰囲気は違うのですが、歌唱法に限って言うなら、ソフト・セル [ Soft Cell ] のマーク・アーモンド [ Marc Almond ] にも同じようなものを感じます。
彼も、シャンソンがかなりお好きなようですから類似点があっても当然ですね。

また、アンは、エディット・ピアフが大好きだそうで、日本語の訳詞を読んでもその影響を強く感じることができます。

私は英語やフランス語に対して知識が薄いため、日本語の訳詞だけでしか判断できませんが、これを読む限り、同じくエディット・ピアフの影響を強く受けた越路吹雪や美輪明宏が歌っていてもおかしくないような、女性の恋や失恋の様子をドライに表現したポエティックな歌詞です。

ZTTに送ったヴィア・ヴァガボンドのデモ・テープがどのような曲調だったのかは不明ですが、もし、シャンソン風の楽曲だったとしたら、ヒットチャートを駆け上がることは想像できなかったでしょうから、そう考えると、他のレコード会社が反応しなかったことも理解ができますよね。

できれば、10inchシングルのみだった「Hot Sagas」や、未発表曲と一緒に、ヴィア・ヴァガボンド時代の楽曲をボーナス・トラックに収録した上で、本作の再発をお願いしたいところですが・・・無理なんでしょうね、やっぱり。


なお、彼女は現在、写真、絵画の方面で活躍しながら、新曲をネットで配信し、時折ライヴも行っているようです。

興味を持たれた方は、下記の彼女のホームページをご覧になってみてはいかがでしょうか?

本作に収録されている楽曲ではありませんが、MySpaceの方では、彼女の最近のライヴ音源を数曲フル・サイズで聴くことができますよ。

アン・ピガール HP
アン・ピガール MySpace



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