80's New Wave Laboratory

80年代のニューウェイヴ音源を中心に、近況やYouTube映像などを交えてレビューを書いています

カウンター

プロフィール

BL Master

Author:BL Master

 当ブログは、現在、ライブドア・ブログで書きためた記事に加筆、訂正の上、お引っ越し中です。

ダブっている記事もございますが、よろしければ『80's UK New Wave』の方にもお越しくださいませ。

歌詞検索

↓ 洋楽の英語詩のみですが、
曲名を入力して歌詞を検索できます。

Lyrics Search Engine

Automatic Translation

QRコード

QRコード

リンク

このブログをリンクに追加する

Amazon

おすすめBOOKS

Ninja Tools

RSSフィード

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Spandau Ballet/True

TrueTrue
Spandau Ballet

Capitol 2003-05-06
売り上げランキング : 28577
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


本作『True』は言わずと知れた1983年発表のスパンダー・バレエ [ Spandau Ballet ] の出世作で、英国だけでなく世界的に大ヒットした彼らの3rdアルバムです。

メンバーはトニー・ハドリー[Tony Hadley](V)、ゲイリー・ケンプ[Gary Kemp](G)、スティーヴ・ノーマン[Steve Norman](Sax,Per)、マーティン・ケンプ[Martin Kemp](B)、ジョン・キーブル[John Keeble](D)の5人で、80年代初頭にに起こったニュー・ロマンティックと呼ばれるムーブメントを代表するグループのひとつとして人気を博しました。

しかし、本作をよく聴けば、シンセサイザーやシモンズ(当時大流行した六角形のパッドのエレクトリック・ドラム)を多用こそしているものの、歌メロ的にはAOR(=Adult Oriented Rock)的な要素が強く、非常にロマンチックでムーディーな楽曲が多いことに気がつきます。

特に、アメリカでの人気を決定づけたタイトル曲「True」などは、その代表とも言えるバラードで、電子楽器という衣を剥がして聴けば、トラディショナルなブラック系のバラード曲との共通点がはっきりと確認できるのではないでしょうか。

「True」のPV
「Gold」のPV

そういった意味では後期のロキシー・ミュージック [ Roxy Music ] とも似たところがあり、そこに彼らの音楽的なルーツを見つけることも出来ます。

しかも、本作のレコーディングが行われたのは、バハマ諸島のナッソー・コンパス・ポイント・スタジオ。
ロキシーのファンの方ならもうお気づきのことかと思いますが、あの歴史的名作『Avalon』を始め、ブライアン・フェリーのソロ作品でも何度も使われたことで有名なあのスタジオです。

アルバム『True』のレコーディング風景

この点だけを見ても、彼らが後期ロキシーのフォロアーであることが想像がつきますね。


また、本作はアルバム全体を通して非常に音がシンプルで、ムダな装飾を極端に省いたアレンジがされています。

トレヴァー・ホーン [ Torevor Horn ] のプロデュースにより、同時期にデビューした、同じくロキシーのフォロアーであろうABCの1stアルバム『The Lexicon of Love』と似たポジションにありながら、アレンジの方法論的にはまったく逆になんです。

実は、一般的にはあまり知られていないのですが、スパンダー・バレエも一度だけトレヴァー・ホーンのプロデュースでシングルを発表しています。

81年のデビュー・アルバム『Journeys to Glory』と82年の2ndアルバム『Diamond』のプロデュースは、ヴィサージ [ Visage ] やバグルス [ Buggles ] でドラマーを担当していたリチャード・バージェス [ Richard James Burgess ] が担当しているのですが、本作の発表までに『Diamond』に収録された「Instinction」という曲をシングルカットしており、この1枚だけはトレヴァー・ホーンがプロデュースしているのです。

このシングルは、トレヴァー・ホーンらしさを感じさせる派手なアレンジが施されたもので、アルバムテイクとは別物、全英チャート10位というそこそこのヒットとなるものの、メンバー的には納得のいく作品ではなかったようです。

「Instinction」のPV(1:15くらいから流れる曲)


本作(LPレコード)のライナーノーツには、「トレヴァーは、あまりにも独裁的で、何でもスタジオで先にやってしまう。まるで先生みたいな態度なんだ。」とゲイリーが口にしていたことが書かれていました。

そんないきさつの後に制作された本作『True』は、イマジネイションやバナナラマを手掛けたことで名を上げた、スティーヴ・ジョリー [ Steve Jolly ] とトニー・スウェイン [ Tony Swain ] の2人組がプロデュースをを担当しています。

恐らく、トレヴァー・ホーンによる過剰なプロデュースの反動が本作のようなシンプルな構造のアルバムを生んだのだと推測するのですが、音数の少なさだけでなく、空間処理的な技術に関しても、トレヴァーの方法論とはまったく対照的であることはABCの『The Lexicon of Love』と比べれば明らかです。

同じくLPのライナーによれば、「トレヴァーが先生を呼んで来るとしたら、スティーヴとトニーは新しい生徒をクラスに紹介するような存在なんだ。」と、彼らとの共同作業であったことを表現しており、「今度のLPは、もっと歌を前面に出した内容で、僕にとってはリパーソナルな、そしてバンドにとっては、大人としての証のアルバムなんだ。」という言葉の通り、先生に頼ることなく、クラスメイト同士で正面から曲作りに向き合った、言わば、一人前になった彼らなりの作品が完成したというわけですね。

今聴くと、シモンズの音のせいか、どうしても時代性を感じてしまいますが、トニーの伸びやかな歌を引き立てるかのような必要最低限のバッキングだけに絞り込まれた演奏は潔さすら感じ、非常にアダルトな雰囲気をかもし出しています。


個人的にはトレヴァー・ホーンのプロデュース作品も大好きですので、もし、本作をトレヴァーがプロデュースしていたとしても失敗作とは感じないでしょう。
恐らくは ABCの『The Lexicon of Love』のようなストリングスを大々的にフューチャーしたゴージャスな作品となっていたことと思います。

しかし、過剰なオーバー・プロデュースに頼ることなく、シンプルな構成でここまでの名盤を完成させたのは、間違いなく楽曲のクオリティーの高さのおかげだと思います。

逆に言えば、楽曲のクオリティーを高めた分、過剰な装飾品が必要なくなったんでしょうね。

恐らく、このブログをご覧になっておられる方なら、「True」や「Gold」はご存知のことと思いますが、この記事がそれらの曲を久々に聴いてみるきっかけになれば嬉しく思います。

トニーは現在でもソロとして音楽活動を続けていますが、ロキシーも再結成したことですし、出来れば、そろそろスパンダー・バレエの再結成もお願いしたいところですね。

2007年1月のトニー・ハドリーのライヴ映像
(ちょっと太りましたが、あの美声は健在です。)


スポンサーサイト

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://uk80.blog51.fc2.com/tb.php/4-314f2ff4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | HOME | 

Design byLoco-net::blog 
Copyright © 80's New Wave Laboratory.All rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。