80's New Wave Laboratory

80年代のニューウェイヴ音源を中心に、近況やYouTube映像などを交えてレビューを書いています

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Japan/Quiet Life

Quiet LifeQuiet Life
Japan

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本作は 1979年に発表されたジャパン [ Japan ] の3rdアルバムで、彼らがアート系ニューウェーヴ路線へ転身した記念すべき第一作とも言えます。

とはいえ、初期2枚のファンからは荒っぽさとロックっぽさが失われたことで酷評を受け、逆に、本来このアルバムのターゲットとなるべきリスナーからはミーハーなイメージを拭い去ることができなかったためか受け入れられず、アリオラ・ハンザ在籍時で初めてのチャート入りを果したものの(最高位53位)、セールス自体は決して良くははありませんでした。

実は、このアルバムを制作する少し前に、セールス不調を打開するため、レコード会社側がジョルジオ・モロダー [ Giorgio Moroder ] をセッティングし、シングル「Life in Tokyo」を発表、この作品が彼らにとっての大きな転機となっています。

「Life In Tokyo」のPV

ジョルジオ・モロダーとは、この当時ドナ・サマーなどの作品で彼の十八番である16ビート・シーケンス・フレーズを使ったディスコ・サウンド(いわゆるミュンヘン・ディスコ)でヒットを連発しまくった大物プロデューサーで、後にヒューマン・リーグ [ Human League ] のフィル・オーキー [ Philip Oakey ] との共作や、リマール [ Limahl ] の「Never Ending Story」などでも注目された人物です。

ちなみに、この16ビート・シーケンス・フレーズは、ジョルジオの手を離れたジャパンのメンバーによって、本作からの第一段シングル「Quiet Life」や「Europian Son」にも方法論として活用され、その後、フォロアーであるデュラン・デュラン [ Duran Duran ] のデビュー曲「Planet Earth」などにも活用されています。

このジョルジオとの出会いによって、エレクトロニクスという強い味方が出来たジャパンは、ついに自分たちの納得のいくスタイルを確立し、また、プロデューサーにブライアン・フェリー [ Brian Ferry ] のソロ作『Another Time, Another Place』や、ロキシー・ミュージック [ Roxy Music ] の『Country Life』を手掛けたことで知られるジョン・パンター [ John Panter ] を迎え、この『QUIET LIFE』というアルバムが制作されたのです。

なお、後のシルヴィアンのインタビューで、「僕たちのファースト・アルバムは『QUIET LIFE』さ。初期の2枚は消してしまいたい恥ずかしい過去なんだ。」というようなことを言っていたのを覚えています。

本作は、後期のロキシー・ミュージック的なヨーロピアン・スタイルの幽玄さと、ゲイリー・ニューマン [ Gary Numan ] 的なシンセサイザー・ワーク、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド [ Velvet Underground ] 的な退廃的なアプローチを併せ持っており、ジャパンならではの音世界を作り上げています。

ミック・カーン [ Mick Karn ] がフレットレス・ベースを使い始めたのも、スティーヴ・ジャンセン [ Steve Jansen ] がテクニカルなジャスト・タイミングのドラミングを始めたのも、リチャード・バルビエリ [ Richard Barbieri ] がキーボードではなくシンセサイザー奏者となったのも、そして、デヴィッド・シルヴィアン [ David Sylvian ] の歌唱法が落ち着いた歌い方になったのも全てこの作品からなんです。
ついでに言えば、ロブ・ディーン [ Rob Dean ] のギターの影が薄くなったのもこの作品からです。

正直、個人的には、次作『Gentlemen Take Polaroids(邦題:孤独な影)』の完成度に比べるとまだまだ荒っぽいところもあるように感じているのですが、ジャパンというバンドのスタイルは間違いなくこの時点でしっかりとに出来上がっています。

先述のタイトル曲「Quiet Life」はもとより、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカバー曲「All Tomorrows Parties」では原曲の退廃的なムードはそのままに、ヨーロピアン調の幽玄さを強調したいかにも彼ららしいアレンジでやってのけ、「In-Vogue」、「The Other Side of Love」、仏語で歌った「Despair」では絶望感を盛り込んだ彼らなりのデカダンスを見事に表現、さらに前作までの雰囲気もどこかに残しながらヨーロピアン・テイストを加味した「Fall in Love with me」や「Halloween」、そして個人的に大好きで、次作への布石とも感じられる「Alien」、う~ん、どれを取っても唯一無二なジャパン・サウンドです。

ちなみに、前々回のシルヴィアンのソロ・ライヴでは、珍しく、このアルバムから「The Other Side of Love」を演っていたのが記憶に残っています。

「Quiet Life」のPV

ところで、当初、このアルバムのタイトルは6曲目に収録された「All Tomorrows Parties」に決定していたそうですが、トラックダウンの段階で楽曲的に出来の良かった「Quiet Life」に急遽変更となったそうです。

しかし、そんな秀作であったにもかかわらず、それまでの先行投資の回収をすることはできず、この後、最後の賭けとして発表したモータウンのカバー曲のシングル「I Scond That Emotion」も不発、アリオラ側から次の制作費は出せないと通告、契約問題で揉めることとなります。

結局、その後、移籍したヴァージンからもらった契約金の殆どをアリオラ・ハンザに支払うことで決着がついたものの、次作にはかなりのプレッシャーがあったことでしょう。

「I Second That Emotion」のPV

この作品以降、ジャパンはようやく本来のターゲットであるリスナーにもいくらか受け入れられるようになり知名度を上げました。

それに便乗してアリオラ・ハンザは過去の作品の編集盤を続々と発表し、後期のファンからは反感をかっているようです。

なお、紹介しているアルバムは今年発売になったもので「All Tomorrow's Parties」の12インチバージョンの1983リミックスと7インチバージョン、「Quiet Life」の7インチバージョンと、そのB面に収録されていた「A Foreign Place」、そして「Quiet Life」のプロモ映像がボーナストラックとして追加したノンCCCD盤です。

この機会に、シルヴィアンの言うところの彼らの1stアルバムを再評価してみてはいかがでしょう。


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コメント

素敵なHPですね。JAPANファンの自分は思わず訪れてしまいました。自分もQUIET LIFE好きですよ。ロック色が強く、完全にNEW WAVE化されていないので、この後の作品よりも若々しさがあります。同時期のLIFE IN TOKYOはあまりにも商業主義的で、彼らの個性が見えない。シルビアンが歌わされただけという印象があります。BL MASTERさんは本当にお詳しいですね。読んでいて楽しくなりました。

コメント

SHOESさん、初めまして。

コメントありがとうございます。

同感です。
個人的には次作『孤独な影』がジャパンのアルバムの中で一番気に入っているんですが、そこへの布石という意味でも、若々しさという意味でも面白いアルバムですよね。
ま、そんな作品が生まれたのも「Life in Tokyo」という商業的な実験作があったからなんでしょうけど(笑)。

また、よろしければちょくちょくのぞいてやってくださいね。

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