80's New Wave Laboratory

80年代のニューウェイヴ音源を中心に、近況やYouTube映像などを交えてレビューを書いています

カウンター

プロフィール

BL Master

Author:BL Master

 当ブログは、現在、ライブドア・ブログで書きためた記事に加筆、訂正の上、お引っ越し中です。

ダブっている記事もございますが、よろしければ『80's UK New Wave』の方にもお越しくださいませ。

歌詞検索

↓ 洋楽の英語詩のみですが、
曲名を入力して歌詞を検索できます。

Lyrics Search Engine

Automatic Translation

QRコード

QRコード

リンク

このブログをリンクに追加する

Amazon

おすすめBOOKS

Ninja Tools

RSSフィード

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

EMIの名盤90作品が期間限定1,500円!!

2009年12月2日から、EMIの旧作90作品が、3ヶ月限定1,500円の特別価格で発売となっています(一部、1ヶ月限定)。

1,500円といえば、amazonで送料が無料になる金額ピッタリですから まさにベストプライス!!
ひょっとすると、そういった事情をふまえての価格設定なのかも知れませんが、いずれにしても欲しいアルバムが安く買えるのは嬉しいことです。

ま、中には1,500円より安く販売している輸入盤もないことはないのですが、そこは安心の日本盤クオリティ。
輸入盤には入っていないライナーノーツや歌詞対訳などがほとんどの作品に封入されているのも大きな魅力ですし、この価格なら、安い輸入盤を買って送料を無料にするために無理矢理もう1枚購入する必要もありません。

EMI旧作



しかも、このラインナップがお見事!

30年以上も売れ続けているパンクの名盤 セックス・ピストルズ [ Sex Pistols ] の『Never Mind The Bollocks(邦題:勝手にしやがれ!)』から、アンビエント・ミュージックの元祖とも言われるブライアン・イーノ [ Brian Eno ] の『Discreet music(邦題:ディスクリート・ミュージック)』、スカの名盤 スペシャルズ [ Specials ] の『Specials(邦題:スペシャルズ)』、ロキシー・ミュージック [ Roxy Music ] の最高傑作との誉れも高い歴史的名盤『Avalon(邦題:アヴァロン)』、アナログ・シンセの限界に挑んだジャパン [ Japan ] のラスト・アルバムにして最高傑作との誉れも高い『Tin Drum(邦題:錻力の太鼓)』、斬新で過激なゲート・リバーヴ・ドラムで一世を風靡したザ・パワー・ステーション [ The Power Station ] の『The Power Station(邦題:パワー・ステーション)』、ペット・ショップ・ボーイズ [ Pet Shop Boys ] の1st『(邦題:ウエスト・エンド・ガールズ)』、捨て曲なしのカルチャー・クラブ [ Culture Club ] の1st『Kissing To Be Clever(邦題:キッシング・トゥ・ビー・クレヴァー)』、デュラン・デュラン [ Duran Duran ] の出世作『Rio(邦題:リオ』)』、アメリカン・ニューウェイヴの元祖的な存在のブロンディ [ Brondie ] のベスト盤『The Best Of Blondie(邦題:軌跡!! ザ・ベスト・オブ・ブロンディ)』、トーキング・ヘッズ [ Talking Heads ] の革命的ライヴの模様を収めた『Stop Making Sense(邦題:ストップ・メイキング・センス)』、そして、まだまだ記憶に新しいコールドプレイ [ Cold Play ] のモンスター・ヒット・アルバム『(邦題:美しき生命)』(これは1ヶ月限定)、ブリット・アワーズやグラミー賞で主要部門を総なめにしたノラ・ジョーンズの『Come Away With Me(邦題:ノラ・ジョーンズ)』など、旧作とはいえ、わざわざ安くしなくとも売れ続けているロングセラー作品やこれから定番化するであろう準新作ばかりなので、買おう買おうと思いながらなんとなく買い逃していた方にとっては実に良い機会だと思います。

また、今回のリリースのために新たに行われたわけではないものの、いくつかのアルバムにはリマスタリング施されていたり、ボーナストラックが追加されていたりするので、レコードは持っているけれどCDは持っていないという方にもおすすめできます。

特に、ブライアン・イーノ関連の作品は2004年にDSDマスタリングされた盤が安くなっているそうなので、音質の点ではかなりお得感があります。(DSDマスタリングについては こちらのサイト に詳しく書かれてありましたので興味を持たれた方はご一読ください。)

アンビエント 2/ザ・プラトウ・オブ・ミラー(期間限定盤)ザ・パール(期間限定盤)ビフォア・アンド・アフター・サイエンス(期間限定盤)

ちなみに、私はこの機会に、レコードしか持っていなかったブライアン・イーノの『アンビエント1:ミュージック・フォー・エアポーツ』と、ハロルド・バットとの共作『ザ・パール』、そして何となく買いそびれていたノラ・ジョーンズの1stアルバム、ヒットしすぎて何となく買うことを躊躇していたコールド・プレイの『美しき生命』あたりを購入しようかと考えています。


なお、今回、特別価格となる具体的なアルバムは下記の通り。
全てamazonの商品ページにリンクしてありますので、興味を持たれた方はクリックして確認してみて下さい。


■ブライアン・イーノ
ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ
テイキング・タイガー・マウンテン
アナザー・グリーン・ワールド
ビフォア・アンド・アフター・サイエンス
ディスクリート・ミュージック
アンビエント 1/ミュージック・フォー・エアポーツ

■ハロルド・バッド/ブライアン・イーノ
アンビエント 2/ザ・プラトウ・オブ・ミラー
ザ・パール

■ジャパン
錻力の太鼓

■ロキシー・ミュージック
サイレン
アヴァロン

■ブライアン・フェリー
ボーイズ・アンド・ガールズ

■スペシャルズ
スペシャルズ

■ブロンディ
軌跡 ザ・ベスト・オブ・ブロンディ
恋の平行線
オートアメリカン

■トーキング・ヘッズ
ストップ・メイキング・センス

■ペット・ショップ・ボーイズ
ウエスト・エンド・ガールズ
ヴェリー

■デュラン・デュラン
リオ
セブン・アンド・ラグド・タイガー
アリーナ

■カルチャー・クラブ
キッシング・トゥ・ビー・クレバー
カラー・バイ・ナンバーズ

■ザ・パワー・ステーション
ザ・パワー・ステーション

■セックス・ピストルズ
勝手にしやがれ
ザ・グレイト・ロックン・ロール・スウィンドル

■シド・ヴィシャス
シド・シングス

■イギー・ポップ
イディオット
ラスト・フォー・ライフ

■コールドプレイ
パラシューツ
静寂の世界
X&Y
美しき生命』*1ヶ月限定

■ノラ・ジョーンズ
ノラ・ジョーンズ
フィールズ・ライク・ホーム
ノット・トゥ・レイト

■レディオヘッド
パブロ・ハニー
ザ・ベンズ
OKコンピューター
キッド A
アムニージアック
ヘイル・トゥ・ザ・シーフ

■マッシヴ・アタック
ブルー・ラインズ
プロテクション
メザニーン
100th Window

■ジェリーフィッシュ
ベリーバトゥン
こぼれたミルクに泣かないで

■ダヴズ
ザ・ラスト・ブロードキャスト

■R.E.M.
マーマー
レコニング(夢の肖像)
フェイブルズ・オブ・リコンストラクション

■ギャング・オブ・フォー
エンターテイメント

■J.ガイルズ・バンド
フリーズ・フレイム

■ドクター・フィールグッド
ダウン・バイ・ザ・ジェティー
不正療法

■30セカンズ・トゥ・マーズ
サーティー・セカンズ・トゥ・マーズ
ア・ビューティフル・ライ

■ベイビー・シャンブルズ
ショッターズ・ネイション

■ザ・クークス
インサイド・イン/インサイド・アウト

■ジョス・ストーン
ザ・ソウル・セッションズ
マインド、ボディ&ソウル
イントロデューシング・ジョス・ストーン

■ジャネット・ジャクソン
ジャネット
ザ・ヴェルヴェット・ロープ
オール・フォー・ユー
ダミタ・ジョー

■ロビー・ウィリアムス
ライフ・スルー・ア・レンズ』*1ヶ月限定
アイヴ・ビーン・エクスペクティング・ユー』*1ヶ月限定
シング・ホエン・ユーアー・ウィニング』*1ヶ月限定
スウィング・ホエン・ユーアー・ウィニング』*1ヶ月限定
エスカポロジー』*1ヶ月限定
インテンシヴ・ケア』*1ヶ月限定
ルードボックス』*1ヶ月限定

■エール
ムーン・サファリ
ヴァージン・スーサイズ

■グランド・ファンク・レイルロード
グレイテスト・ヒッツ

■ジェフ・ベック
トゥルース
ベック・オラ

■ヤードバーズ
リトル・ゲームス

■ザ・ナック
ゲット・ザ・ナック

■ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース
スポーツ
FORE!

■イエローカード
オーシャン・アヴェニュー

■ザ・バンド
ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク
ザ・バンド

■リチャード・アシュクロフト
アローン・ウィズ・エヴリボディ

■スヌープ・ドッグ
ペイド・ザ・コスト・トゥ・ビー・ザ・ボス

■オリジナル・サウンドトラック
ロッキー3


みなさんも、欲しいアルバムがあれば売り切れないうちに手に入れて下さいね。

スポンサーサイト

Ultravox/Vienna

ViennaVienna
Ultravox

Toshiba 2008-08-04
売り上げランキング : 67471
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


今日紹介するのは、1980年発表のウルトラヴォックス [ Ultravox ] の4thアルバム『Vienna(邦題:ヴィエナ)』。

本作のメンバーは、前身となったタイガー・リリー [ Tiger Lily ] 時代からのメンバーであるウォーレン・カン [ Warren Cann ] (D)、クリス・クロス [ Criss Cross ] (B) 、ウルトラヴォックスの結成時からのメンバー、ビリー・カーリー [ Billy Currie ] (Key,Violin)、そして、ジョン・フォックス [ John Foxx ] に代わって新たに参加したミッジ・ユーロ [ Midge Ure ] (Vo,G,Syn)の4人。

前作『 Systems Of Romance』の発表後、フロントマンであったジョン・フォックスが脱退したため、一時的に活動休止状態となっていたウルトラヴォックスですが、スティーヴ・ストレンジ [ Steve Starange ] のプロジェクト=ヴィサージ [ Visage ] にビリー・カーリーが参加、そこで出会ったミッジ・ユーロと意気投合したことがきっかけとなり、この第2期ウルトラヴォックスの構想が練られることになったようです。

ミッジ・ユーロのそれまでの経歴は 80's UK New Wave『if i was : the very best of midge ure & ultlavox』のところで詳しく書かせていただいたのですが、ここでも簡単に紹介しておきますと、21歳の頃にスリック [ Slik ] というハード・ロック系のバンドでデビュー、翌年にはマルコム・マクラレン [ Malcolm Mclaren ] からセックス・ピストルズ [ Sex Pistols ] のギターとしてお誘いを受けるも、あっさり拒否したのだとか(笑)。

スリックというバンドは、この後、なぜかベイ・シティ・ローラーズを手がけたプロデューサーの手によってアイドル系バンドへと変貌を遂げ、全英チャート1位を獲得しています。

スリックの頃のライヴ映像

とはいえ、アイドル路線での活動には不満を感じていたのでしょう、同じスリックのメンバーでPVC2というパンク系バンドへとシフトしようと試みますが、元ピストルズのグレン・マトロックの誘いでリッチ・キッズ [ Rich Kids ] のボーカルに就任、しかし、方向性の違いからほどなく解散への道を辿ります。

リッチ・キッズの頃のライヴ映像

その後、ゲイリー・ムーアの代打としてシン・リジィというハード・ロック・バンドのツアーや、同じくシン・リジィのフロントマン、フィル・リノットのソロ・アルバムに参加するなどジャンル不問の活動を展開しながら(笑)、リッチ・キッズ時代の盟友ラスティー・イーガンからの誘いで、当時ニューウェイヴ系のクラブでDJやオーガナイザーとして人気を集めていたスティーヴ・ストレンジを中心とするプロジェクト・グループ=ヴィサージに参加。

このプロジェクトでビリー・カーリーと意気投合したことから第2期ウルトラヴォックスが始動、ヴィサージと並行して制作したのが本作『Vienna』なのです。

本作は『Systems Of Romance』でほぼ完成されたニュー・ロマンティックの原点とも言えるヨーロピアン・テイストたっぷりの耽美的ニューウェイヴ・サウンドを継承しつつ、ミッジ・ユーロの持つポップなセンスを前面に出し大成功、全英アルバム・チャート3位まで駆け上がり、一躍メジャー・バンドへと成長を遂げました。

なお、本作からシングル・カットされたのは、発表順に「Sleepwalk」「Passig Strangers」「Vienna」「At Stood Still」「New Europeans」の5枚。

中でも「Vienna」は全英チャート2位となる大ヒットを記録しているのですが、日本ではイマイチ、逆に、日本では、サントリーのCM(「角瓶」だったかな?)に「New Europeans」使われたことから大ヒットとなるものの、本国ではイマイチという不思議な現象が起きています。

「Sleepwalk」のPV
「Passing Strangers」のPV
「Vienna」のPV
「New Europeans」のPV

「Sleepwalk」のライヴ映像
「Passing Stranger」のライヴ映像
「Vienna」のライヴ映像
「All Stood Still」のライヴ映像
「New Europeans」のライヴ映像

ちなみに、本作のプロデュースは前作『Systems Of Romance』同様、コニー・プランク [ Conny Plank ] 。
メンバー・チェンジが行われ、より電子楽器の音を前面に出した作りになってはいますが、恐らく、前作と同じような方法論の下で制作されているのでしょうね。

ポルタメントの効いた印象的なリード・シンセと浮遊感のあるシンセサイザー、コンプレッサーの効いた生ドラムなどはそのままに、ミッジ・ユーロの音域が広く音程の安定したボーカルとエッジの効いたギターが加わることで、よりいっそうの進化を遂げています。

ひょっとすると、ミッジの経歴から読み取ることの出来るハード・ロック的なセンスが、ウルトラヴォックスの完成された個性にバランスよく配合されたのが良かったのかも知れません。

また、個人的には、インストものが増えていたり、クラシカルな生ピアノやバイオリンが効果的に使われていたりすることから、どこかプログレッシヴなイメージを抱いたことを覚えています。

ある意味、ほぼ同時期に同じメンツが関わって制作された『Visage』は、姉妹作的なサウンドだと言えますが、ウルトラヴォックスにはイロモノ的な要素がなかったのと、流行ものであることが多いダンス・ミュージックに染まらなかった分、硬派なイメージを持たれているのかも知れません。

とはいえ、この2枚のサウンドは、ジョン・フォックス期のウルトラヴォックスが下地になっていることは明らかです。

考えてみれば、70年代後半といえば、イギリスではまだまだパンクが全盛でしたから、ジョン・フォックスのような電子楽器を中心に据えた音作りは早過ぎたのでしょうね。

しかし、その後、パンク・ムーブメントの衰退と共に、ゲイリー・ニューマン [ Gary Numan ] やYMO、ジャパン [ Japan ] などなど、バンド・アンサンブルの中心にシンセサイザーを導入するバンドが続々と登場し、同時に電子楽器も急速な進化を遂げて行きます。

言わば、時代が彼らに追いついたのでしょう。

そう考えると、先駆者であった彼らがこの頃になって注目を集めたのもうなずけます。


いやぁ、それにしても、この頃(79~80年)のミッジ・ユーロの活動は、恐ろしいまでに意欲的です。

シン・リジィのツアーにフィル・リノットのソロアルバムへのゲスト参加、ヴィサージと新生ウルトラヴォックスのシングル、アルバム制作、そしてウルトラヴォックスのツアー、これだけのことをわずか2年で行ったのです。

しかも、この時期に制作されたヴィサージの1stアルバム『Visage』と本作、ウルトラヴォックスの『Vienna』は、ニューウェイヴ史を語る上で決して外すことの出来ない重要な作品です。

人間、忙しいときの方がより効率よく仕事ができると言いますが、この頃のミッジの精力的な活動と結果を見ればそれも納得できますよね。

とにかく、未聴の方は一度は耳を通していただきたい名盤中の名盤です。



ACT/Laughter,Tears and Rage [ Deluxe Edition ]

ラフター、ティアーズ&レイジ(デラックス・エディション)(紙ジャケット仕様)ラフター、ティアーズ&レイジ(デラックス・エディション)(紙ジャケット仕様)
アクト

インディーズ・メーカー 2009-01-21
売り上げランキング : 58653

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


今日紹介するアクト [ ACT ] の『Laughter,Tears and Rage(邦題:ラフター、ティアーズ&レイジ)』は、元プロパガンダ [ Propaganda ] の歌姫、クラウディア・ブルッケン [ Claudia Brucken ] (ドイツ語ですので正確には2つ目の”u”の上に点が2つ付きます)と、70年代後半からテクノの元祖的な活動をしてきたアーチスト、トーマス・リア [ Thomas Leer ] の2人による結果として短命で終わってしまったユニットの1988年発表の唯一のオリジナル・フル・アルバム。

今回紹介している『Laughter,Tears and Rage [ Deluxe Edition ] 』は、今年1月にZTT Japanから「ZTT アーカイブス 復刻シリーズ 第3弾」として発表された4作品のうちの1枚で、1988年発表の通常盤(LP発売時11曲、CD発売時14曲)にボーナストラックを追加した22曲入りの盤に加えて、2004年にZTTのサイトからのみ7,500枚限定発売され即完売となったCD3枚組の英国盤『Laughter, Tears and Rage: The Anthology』から選りすぐりのレア曲やリミックスを13曲収録したボーナス盤を追加した2枚組、合計35曲収録の日本限定盤(日本語のライナー・ノーツが付属、歌詞、歌詞対訳なし)です。

実は、本作、前々から取り上げたいと思っていたアルバムの1枚だったのですが、発表当時のセールスが悪かったせいか流通量そのものが少ない上、解散後になって再評価されたため長らく廃盤状態が続いていたんですよ。

その後発売された3枚組の限定版はあっという間に売り切れてしまいましたし、たまに出る中古盤は2~3倍のプレミアのついたものばかりでなかなか手が出せません。

ま、それでもLP盤は持っていたので、そこに収録された分だけでも紹介させていただこうかと考えていたんですが、そうこうしている間に、ZTT Japanから豪華な内容の復刻版が安価で発売されたというわけなんです。

昔、12インチ盤を苦労して探しまわったのは何だったんだ!と、うっすら疑問を感じつつも(笑)、そりゃもう嬉しくて、早速、購入しました(笑)。


さて、内容をレビューする前に、アクトの2人について紹介しておこうと思うのですが、クラウディア・ブルッケンに関しては「80's UK New Wave」の方で何度も取り上げておりますので「Propaganda」もしくは「Claudia Brucken」のところをお読みいただくとして、今回は相方のトーマス・リアーについて簡単に紹介しておきます。

トーマス・リアーは、1970年代後半からMTR(マルチ・トラック・レコーダー)による多重録音でテクノ・ポップと呼ぶには少々実験的な作品を発表してきたアーチストで、シンセサイザー、ピアノ、ギター、ベース、ボーカルなどを1人でこなすマルチ・プレイヤー。
コアなファンには「シンセ職人」や「実験くん」(笑)なんて呼ばれ方もしているようです。

そのスジの方(笑)に有名な彼の作品としては、テクノの裏名盤との誉れも高いロバート・レンタル [ Robert Rental ] と共同名義の『The Bridge』(1979) 、ソロ名義では、デビュー・シングルの「Private Plane」(1978)、12inch2枚組で発表された『Contradictions』(1982)、サンプリングを多用した『The Scale of Ten』(1985)、などがあります。

なお、『The Bridge』は、TGことスロッビング・グリッスル [ Throbbing Gristle ] の自主レーベルであるインダストリアル・レコード [ Industrial Record ] 、『Scale of Ten』はメジャーのアリスタ [ Arista Records ] から発表されているものの、『Contradictions』の方はなぜかネオアコの総本山とも呼ばれるチェリー・レッド・レーベル [ Cherry Red Records ] から発表されているため、ネオアコ系のアーチストという誤解を受けていたりもするのですが(笑)、私の知る限りはテクノ、アンビエント、ハウス、インダストリアルなど、どちらかと言えば電子楽器を多用した音楽ジャンルのアーチストです。

そんなトーマス氏がクラウディアと組んだのは1987年のこと。

クラウディアは85年にプロパガンダを脱退し、同年、元ヘヴン17 [ Heaven 17 ] のボーカルで後にABC☆でマーティン・フライ [ Martin Fry ] の右腕となるグレン・グレゴリー [ Glenn Gregory ] との共同名義でZTTからシングル(12inch)「When Your Heart Runs Out Of Time」を発表。

このシングルは、後にクラウディアの夫となるポール・モーリィ [ Paul Morley ] のアイデアにより企画されたものなんですが、プロパガンダの重量感のあるダークな音楽性とはかけ離れたムーディーな作品だったせいかセールス的には伸び悩み、単発の企画ものの域をでることはありませんでした。
(このシングルにはこっそりギターでミッジ・ユーロ [ Midge Ure ] の名前がクレジットされているんですよ。ま、これぞミッジ!というプレイではありませんが…。笑)

当時、プロパガンダの大ファンだった私にとってみれば、確かに肩すかしをくらったような印象を持ちましたが、今になって聴いてみれば、キャバレー・ミュージック~日本のムード歌謡をエレポップ風に味付けしたようなシングルで、これはこれでなかなか面白い作品ですので、ZTT Japanさんには何らかの形で再発をお願いしたいところです。

このシングルがこの後のクラウディアのポップス・フォーマットでの音楽活動におけるひな形的な作品となり、今日紹介しているアクト~ソロ、そして元OMD [ Orchestral Manoeuvres in the Dark ] のポール・ハンフリーズ [ Paul Humphreys ] と結成したワン・トゥー [ One Two ] などにも影響を及ぼしているのかも知れません。

プロパガンダの音楽性を、インダストリアル、ゴス、エレポップの中間的なポジションに位置するダークなポップスと表現するならば、アクトはその流れをよりポップに軌道修正し、曲によってハウスやジャズ、サイケ、50年代のキャバレー・ミュージックなどのエッセンスを加えた80年代後半のダンサンブルなポップス、と表現することができます。

良く言えば多彩な、悪く言えば的を絞り込めていないアルバムと言うこともできるわけですが、そもそもコンセプチュアル・アルバム的な要素はほとんどなく、シングルをまとめたベスト盤的な風合いを持ったアルバムですので、プロパガンダの面影さえ追わなければ、それはそれで楽しむことが出来ると思います。

とはいえ、プロパガンダ的な要素が皆無というわけではありません。

鼻にかかった妖しいクラウディアの歌声は何ら変わっていませんし、曲によっては、『A Secret Wish』に収録されていても違和感のない曲もあります。
また、『A Secret Wish』をプロデューサーであるスティーヴ・リプソン [ Stephen Lipson ] がほとんどの曲をプロデュースしているわけですし、ゴージャスなストリングスやパーカッション、ダークなメロディー・ラインなどの部分であの独特の雰囲気が継承されているように感じる曲もありました。さらには、ZTTレーベルの創始者であるトレヴァー・ホーン [ Torevor Horn ] がプロデュースした楽曲も収録されています。

しかし、ジャパン=シルヴィアン&フリップではないのと同じく、プロパガンダ=アクトではありません(…と、またシルヴィアンを例にあげるマスター。笑)。
やはり、全くの別物と認識した上でお聴きになられることをオススメします。

さて、本作の内容ですが、基本的には88年に発表された『Laughter,Tears and Rage』(LP発売時11曲)に未収録曲と別ミックスを24曲追加した2枚組です。

Disc 1の収録曲は以下の通り。
なお、タイトルが赤くなっているものはYouTube映像をリンクしてありますので、興味を持たれた方は曲タイトルをクリックしてご覧ください。

1. Absolutely Immune
2. Chance
3. Laughter
4. I Can't Escape From You
5. Short Story (Thinker)
6. Poison
7. Under The Nights Of Germany
8. Heaven Knows I'm Miserable Now
9. The 3rd Planet
10. Gestures
11. Bloodrush
12. A Friendly Warning
13. Certified
14. Where Love Lies Bleeding
15. (Theme From) Laughter
16. Snobbery And Decay
17. I'd Be Surprisingly Good For You
18. (Theme From) Snobbery And Decay
19. Absolutely Immune (Seven Inch Mix)
20. White Rabbit
21. Dear Life
22. (Theme From) I Can't Escape From You

なお、DISC 1のプロデュースは、「2. Chance」がトレヴァー・ホーン、「12. A Friendly Warning」がアクト、「15. (Theme From) Laughter」がグレッグ・ウォルシュ [ Greg Walsh ] 、それ以外の曲はすべてステファン・リプソンが担当しているようです。

なぜか発表当時のアルバムには、アクトの楽曲の中で最もヒットしたシングル「Snobbery And Decay」が収録されていなかったのですが、これが耳馴染みのあるシングル・バージョンに加えて別バージョンまで収録されたのは嬉しいことですね。

また、生ピアノをフィーチャーしたジャズ~シャンソンっぽい楽曲や、ボディ・ビート風のミックス、スミス [ The Smith ] のカバー曲「Heaven Knows I'm Miserable Now」なども追加されており、ただでさえ守備範囲の広いアクトの音楽性をいっそう広げています。

ただ、やはりアクトに関しても従来のZTTの手法は継承されていますので、フランキーやAON同様、数々の12inchシングルで多種多様なバージョンが発表されています。

さすがにそれら全てを聴いて来たわけではありませんので、どの曲がどのシングルにカップリングされていたのか、すべてを把握することはできないのですが、付属のライナーノーツにボーナス・ディスク(Disc 2)に収録された楽曲のみ、簡単な解説がありましたので、DISC 2に関してはそちらをそのまま引用させていただき、一部、私の補足を加えて紹介することにします。

ちなみに、こちらもタイトルが赤くなっているものはYouTube映像をリンクしてありますので、興味を持たれた方は曲タイトルをクリックしてご覧ください。

1. Snobbery and Decay (The Naked Civil)
多数リリースされた同局のリミックスのうち、限定の12インチ(12XACT28)に収録されたヴァージョン。原曲、他ヴァージョンとくらべ、これぞZTTというエレクトリックなリミックスとなっている。
(イントロ部分だけを聴くとプロパガンダのリミックス曲を思い出してしまいますが、ひょっとすると同じバスドラの音やベース音を使っているのかも知れません。途中に聴こえるオケヒットにはニヤけてしまいます。笑)

2. Strong Poison
同じく(12XACT28)に収録されたアルバム収録曲「Poison」のリミックス。80年代後期ならではのエレクトロなリズム強化は聴きもの。

3. Absolutely Immune II (Trevor's Twelve Inch Mix)
同曲の限定12インチ(VIMM1)に収録されたトレヴァー・ホーン自身によるリミックス・ヴァージョン。
(このバージョンは、ミックスがトレヴァー・ホーン、プロデュースがステファン・リプソンを担当しているようです。)

4. Chance (Throbbin' Mix)
トラブルにより発売中止(発売中止前に少数は流通したようだ)になった同曲の12インチ(BETT1)のためのリミックス・ヴァージョン。各種制作されたが、フランキー・ゴーズ・トゥー・ハリウッドを彷彿とさせるエレクトリック・ディスコなヴァージョンとなっている。
(トラブルにより発売中止となったのは、88年に発表しようとした「Chance」のシングル。アバ [ ABBA ] の楽曲の一部をサンプリングして使おうとしたところ、裁判沙汰になり敗訴、このことにより、発売したばかりの同曲のシングルは回収、この後発表されたアルバムにはサンプリングした部分をカットしたミックスが収録されました。
なお、余談ですが、アバは最近まで、一切のサンプリング行為 {※} を許しておらず、他でも裁判を起こしているのだとか。しかし、96年にフージーズが「Rumble in the Jungle」でアバの「The Name Of The Game」、2005年にマドンナが「Hung Up」でアバの「Gimme Gimme Gimme」のサンプリング使用を許可されています。ま、許可される基準は曖昧ですが、いずれにせよ、今でもアバの曲をサンプリングして使用する承諾を得るのは至難の業のようです。{※ カバー曲ではなく、曲の一部をサンプリングして別のトラックに乗せるという意味です。念のため。} )

5. Winner '88 (Extended)
同12インチ(BETT1)のカップリングのためのリミックス・ヴァージョン。

6. I Can't Escape From You (Love and Hate)
12インチ(TIMM2)のためのリミックス・ヴァージョン。ポップでメランコリックな原曲の魅力がさらにアップされている。

7. Under the Nights of Germany (Trial Edit)
アルバムに収録された同曲のエディット・ヴァージョン。

8. States Of Logic
「Absolutely Immune II」の12インチ(VIMM1)にカップリングされたアルバム未収録曲。

9. Body Electric
2004年の限定盤3CDのボーナス・ディスクに収録された完全未発表曲。

10. Heaven Knows I'm Miserable Now (Lucky's Skank 1)
「 I Can't Escape From You」の12インチ、CDシングルのカップリングとなったザ・スミス [ The Smith ] のカヴァー曲。
(ちなみにスミスの原曲はこちら→The Smith「Heaven Knows I'm Miserable Now」

11. Winner '88 (Instrumental)
2004年の限定盤3CDのボーナス・ディスクに収録された当時未発表のインスト・ヴァージョン。ACT風エレクトリック・ボディ・ミュージック!

12. (We Give You Another) Chance
同曲の12インチ(BETT1)のカップリングとなった別リミックス・ヴァージョン。

13. Gestures (Improvised)
2004年の限定盤3CDのボーナス・ディスクに収録された当時未発表のリミックス。アルバムに収録された約4分の原曲を10分を超える大作に。90年代以降のクラブ・ミュージックを先取りした先進的ヴァージョンとなっている。

なお、DISC 2のプロデュースは「4. Chance (Throbbin' Mix)」はトレヴァー、「Winner '88 (Extended)」「9. Body Electric」「10. Heaven Knows I'm Miserable Now (Lucky's Skank 1)」「11. Winner '88 (Instrumental)」がアクト、それ以外の曲は全てステファン・リプソンが担当していようです。


ところで、私は今回の復刻シリーズで、本作とアン・ピガール [ Anne Pigalle ] の『Everything Could Be So Perfect…』の2枚を購入したのですが、それぞれ以前のCDのジャケットと見比べてみてちょっとした違いに気がつきました。

使われている写真が同じであることは間違いないのですが、裏表共に少々画質が荒く、わずかにレイアウトを変更した上で紙ジャケ化されています。

恐らく、昔のジャケットからカラーコピーした写真をトリミングしてサイズに合うように拡大したのでしょう。

オリジナル盤を持っている私としてはこの点だけが残念なのですが、それでも復刻盤発売に際してのZTT Japanさんの苦労が感じ取れました。

できれば表ジャケットくらいはオリジナルに忠実であって欲しいところですが、ZTTレーベルの作品はレアな12インチ盤が多いだけに、今後も本作のようなレア・トラックを網羅した復刻盤を企画していただきたいと思います。

いずれにせよ、非常にお得な盤であることは間違いありませんので、興味を持たれた方はこの機会に手に入れて下さい。

Zang Tumb Tuum: The ZTT Box Set


Zang Tumb Tuum: The ZTT Box SetZang Tumb Tuum: The ZTT Box Set
Various Artists

Salvo 2008-10-27
売り上げランキング : 76313
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


今日は、昨年10月に発売されたZTTレーベルの4枚組ボックス・セット『Zang Tumb Tuum: The ZTT Box Set』を紹介したいと思います。

実は、先日、なんとなくグーグルでプロパガンダ [ Propaganda ] を検索してみたところ、昨年10月にユニクロの「UT」からZTTレーベルのTシャツが発売になっていたことを知りました。
 ↓
「ユニクロ UT : ZTT Records」

プリントの種類は「ZTTのロゴ」「ジ・アート・オブ・ノイズ [ The Art Of Noise ] 」「プロパガンダ」「フランキー・ゴーズ・トゥー・ハリウッド [ Frankie Goes To Hollywood ] 2種」「808ステイト [ 808 State ] 」の6種類。

残念ながら、一部店舗限定だったそうで、私の行動範囲にあるユニクロでは販売されなかったようです。

それでもネット販売で手に入れることは可能なようなので、ダメもとで調べてみたところ…、あらら~、残っていたのは「ZTTロゴの黄色」と「フランキーの黒・Sサイズ」のみ。
処分品で安くはなっているのですが、送料がかかる上、私の欲しいTシャツではありません。
う~ん、再発されるのを期待して待つか、手作りするしかなさそうです…トホホ。

しかし、なぜ、今頃になってこんなTシャツが企画されたのでしょうか。

疑問を感じてさらに詳しく検索してみると、なんと、昨年、「Zang Tuum Tumb Japan」というZTTレーベルのアーチストのCDやグッズを取り扱う会社が発足、さらに、808ステイト、アート・オブ・ノイズ、プロパガンダ、アン・ピガール [ Anne Pigalle ] 、アクト [ Act ] などの旧盤が、紙ジャケの『ZTTアーカイブス 復刻シリーズ』として続々とリイシューされたんだとか。
 ↓
「Zang Tuum Tumb Japan」
(なぜかサイト名では"Tumb"と"Tuum"が逆になっているんですが、これって意図的なものなんでしょうか??)

しかも、ほとんどのアルバムに未発表音源やレア・トラックなどのボーナス・トラックが追加されているではないですか。
お~っ!こ、こ、こ、これはすごい!(少々興奮気味です)

すでに持っているアルバムがほとんどなのですが、このボーナス・トラックはぜひとも聴いてみたい…、しかし、ボーナス・トラックだけのためにもう一度購入するのももったいない…、いや、しかし、今買っておかなくては絶対に後悔するはず…、あ~、どうしよ…。

悩みに悩んだあげくアン・ピガールとアクトのCD購入を決定!(呆)

しかし、ZTT Japanで注文すると500円の送料がかかるようなので、念のためAmazonでも検索。

お~、予想通りこちらにもあるじゃないですか(嬉)。
販売価格は同じで、もちろん1,500円以上は送料無料!
 ↓
エヴリシング・クドゥ・ビー・ソー・パフェクト
ラフター、ティアーズ&レイジ(デラックス・エディション)

とはいえ、今、ZTT Japanで2枚以上同時購入すると、プロパガンダのツアー・パンフレットのレプリカがもらえるそうなので、私はZTT Japanで購入することに決めました。
実は、このパンフ、来日公演時、開演ギリギリに入場したため、売り切れで悔しい思いをしたんですよ。
ま、欲しかったパンフレットを500円で購入したと思えば安いものですからね。
ただし、この特典は数量限定とのことですので、終了後はAmazonで購入された方がお得だと思います。


ま、話がどんどん脱線してしまいそうなので、ここらへんで話を戻しまして(笑)、今日紹介する『Zang Tumb Tuum: The ZTT Box Set』はZTTレーベル25周年を記念して企画された4枚組(3CD + 1DVD)の限定スペシャル・ボックス・セットです(ZTTのレーベル創設者であるポール・モーリィとZTT所属アーチストの取材を続けて来たイアン・ピールの2人によるテキストを収載した72ページの分厚いブックレット付)。

The ZTT Box Set

内容的には、馴染みのある通常のシングル・バージョンが多いものの、これまで品薄のため入手困難となっていたアクトやアン・ピガール、アフリカ・バンバータ、サン・エレクトリック、アンドリュー・ポピーなどの音源も収録されており、なかなかお得感のある選曲となっています。

個人的には、レアなリミックス・バージョンや未発表曲をまとめたボックス・セットがあっても嬉しいんですが、結局、永く聴けるのは普通のバージョンだったりするので、この選曲はまさしく25周年記念のボックスにはふさわしいものだと言えるでしょう。

また、DVDに関しては、大ヒットしたフランキーを除いて、MTVなどでもあまり目にすることがなかった貴重な映像ばかりで、しかも、これをきれいな画質で観ることが出来るわけですから、ファンにとっては感涙ものです。

個人的には、大好きなアントン・コービン [ Anton Corbijn ] 監督バージョンである1.「Propaganda - Dr Mabuse」、初めて見ることのできた4.「Anne Pigalle - He Stranger」、ジョニー・デップが監督、出演の13.「Shane MacGowan - That Woman's Got Me Drinking」あたりが気に入っております。

ただし、このDVDに関してはPAL仕様(ヨーロッパなどで主流の方式)で記録されているため、日本の一般的なDVDプレーヤーでは再生することができません(ちなみに日本の方式はNTSC仕様)。

とはいえ、パソコンならPALやNTSCの区別が元々ありませんから普通に再生可能ですし、パイオニアやビクター、デノンなどの一部機種のようなPAL→NTSCの変換機能を内蔵しているDVDプレーヤーをお持ちならテレビでも観ることが出来るとのこと。

ちょっと残念な仕様ですが、とりあえず、パソコンがあればレアな映像をきれいな画質で観ることが出来るわけですから我慢するとしましょう。


さて、本作の収録曲は以下の通り。

いつものように、曲のタイトルが赤く表示されている楽曲に関してはYouTube映像をリンクしてありますので、興味を持たれた方は曲名をクリックしてご覧になって下さい(注:本作に収録されたバージョンと異なることがあります)。
あと、ご覧になる際は、映像によって音量の大小がありますのでご注意ください。

ディスク:1
1. Frankie Goes To Hollywood - Relax
2. Frankie Goes To Hollywood - Two Tribes (Annihilation)
3. Frankie Goes To Hollywood - The Power of Love
4. Art of Noise - Battle
5. Art of Noise - Beat Box
6. Art of Noise - Close (To The Edit) (12" Edited mix)
7. http://www.youtube.com/watch?v=6w_q58CFfAo
8. Propaganda - Thought
9. Propaganda - Dr. Mabuse
10. Act - (Theme from) Laughter
11. Act - Snobbery & Decay
12. Act - White Rabbit
13. Anne Pigalle - Why Does It Have To Be This Way?
14. 808 State - Pacific 202
15. MC Tunes Vs. 808 State - Tunes Splits The Atom (Rap)
16. MC Tunes Vs. 808 State - The Only Rhyme That Bites (7" Version)
17. 808 State - Cubik (Original Mix)
18. David Jordan - Move On (Clean Radio Edit)

ディスク:2
1. David Jordan - The Sun Goes Down
2. David's Daughters - Is This Love
3. Novecento - Day and Night (Morales Radio Edit)
4. Seal - Killer (William Orbit Remix Edit)
5. Afrika Bambaataa & The Soulsonic Force - Don't Stop... Planet Rock (House Mix II by LFO)
6. Time Unlimited - Men Of Wadodem
7. 808 State feat. Bjork - Ooops
8. Shades of Rhythm - Sweet Sensation
9. General Max - Time Keeper
10. Sun Electric - Red Summer (The Orb Koskiewicz Mix)
11. Nasty Rox Inc. - Nobby's One
12. Frankie Goes To Hollywood - Welcome to the Pleasuredome (An Alternative to Reality)
13. Art of Noise - Moments In Love (Beaten)
14. Andrew Poppy - Kink Konk Adagio

ディスク:3
1. Shane MacGowan - My Way
2. Shane MacGowan & Sinead O'Connor - Haunted
3. Kirsty MacColl - Soho Square
4. The Frames - Say It To Me Now
5. The Frames - Pavement Tune
6. Lee Griffiths - No-One
7. (Lo)Max - Waiting In Vain
8. das Psych-oh! Rangers - Homage to the Blessed
9. 808 State feat. James Dean Bradfield - Lopez (re-guessed and remixed by Brian Eno)
10. Tara - Save Me From Myself (Apollo 440 Kingdome Come Ambient Mix)
11. Heights of Abraham - What's The Number
12. Art of Noise - Out of This World (Version 138)
13. Seal - Crazy (Extended Version)
14. Seal - Future Love Paradise
15. Seal - Kiss From A Rose


ディスク:4(DVD)
1. Propaganda - Dr Mabuse (video)
2. Art of Noise - Close (To The Edit) (video)
3. Frankie Goes To Hollywood - Two Tribes (Video Destructo Version) (video)
4. Anne Pigalle - He Stranger (video)
5. das Psych-oh! Rangers - The Essential Art of Communication (video)
6. Andrew Poppy - The Amusement (video)
7. Act - Snobbery and Decay (video)
8. Nasty Rox Inc. - Escape From New York (video)
9. MC Tunes - Tunes Splits The Atom (video)
10. Shades of Rhythm - Exorcist (video)
11. 808 State - Plan 9 (video)
12. Adamski's Thing - One of the People (video)
13. Shane MacGowan - That Woman's Got Me Drinking (video)
14. The Frames - Revelate (video)
15. Dove - Don't Dream (video)
16. Leilani - Flying Elvis (video)
17. David's Daughters - Dreaming Of Loving You (video)
18. Raging Speedhorn - The Gush (video)


なお、本作は、当然、先述のZTT JAPANでも販売しておりますが、内容的には全く同じもの、ディスク4のDVDに関してはAmazonの取り扱い商品と同じくPAL方式の盤が入っていますので、一般的なDVDプレーヤーでは観ることが出来ません。

しかし、今、ZTT JAPANで購入すれば、本作に同梱のものとは別選曲のNTSC方式のDVD(ZTT アーティストによるレアなプロモ・ビデオ+アーティストのインタビュー収録)がもらえるそうです。

ただし、こちらの特典DVDも数量限定(もう終了しているかも?)とのことですので、終了後はAmazonのマーケット・プレイスで取り扱っている2,561円(09/2/16現在)の新品が最もお得です(マーケット・プレイスは1,500円以上でも送料が別にかかりますのでご注意ください)。

いずれにせよ、本作は限定生産とのことですので、欲しい方はプレミアのつかないうちに手に入れておきましょう。

それにしても、これからのZTT Japanの復刻シリーズが楽しみです。


One World One Voice

One World, One VoiceOne World, One Voice
Various Artists

Virgin 1990-06-01
売り上げランキング : 351407
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


今日紹介する『One World One Voice(邦題:ワン・ワールド・ワン・ヴォイス)』は、10ccやゴドレイ&クレーム [ Godley & Creme ] のメンバーとして知られるケヴィン・ゴドレイ [ Kevin Godley ] の提唱、ルパート・ハイン [ Rupert Hine ] のプロデュースで、なんと総勢292名のミュージシャンと英国BBCを始めとする世界20カ国の放送局の協力によって制作された1990年発表の凄まじい規模の企画ものアルバム。

本作のテーマは「世界は一つ」。
ちょうど、本作が発表される前年1989年11月にベルリンの壁が崩れ去るという歴史的な出来事があっただけに、戦争や国と国のもめ事、人種差別はやめましょうというメッセージを音楽で伝えるというコンセプトだったのでしょうが、発表から20年ほど経った今引っぱり出して聴き込んでいると、最近の地球温暖化の問題までも考えさせられてしまいます。
う~ん、なんと深いメッセージなんでしょう。

ま、この話題について書き出すとキリがないので、早速、CDのレビューに移させていただくことにします。


まず、本作に収録されている曲は、なんと52分47秒の曲がたった1曲だけ。

つまり、CDの利点の一つである曲飛ばしができないため、聴きたいアーチストのパートがある場合、早送りで対応しなくてはならないわけですね(笑)。

私のようにロックやポップスの音源の操作に慣れている者にとっては何ともじゃまくさい話ですが、たまにはこういった壮大なスケールの作品をじっくりと聴く時間を作るのも良いものです。


さて、本作の基本コンセプトは「世界は一つ」ということですので、聴感上はこの1曲の中でミュージシャンが入れ替わり立ち代わりノンストップでセッションするという作りになっています。

ただ、292名もの著名ミュージシャンを実際に一カ所に集めて録音するなんてことは限りなく不可能に近いわけで、仮に出来たとしてもスケジュール調整だけでかなりの時間を費やすことになるでしょう。

また、各アーチストが一曲づつ持ち寄った楽曲をオムニバス形式でまとめたコンセプト・アルバムなどというのもよくあるパターンですが、これでは一曲ごとに仕切りが出来てしまい、「世界は一つ」というメッセージを伝えるには非力な気がします。

そこでケヴィンが考えたのが、リレー形式でテープをバトンしていき、それぞれの国のスタジオでパートごとにレコーディング、そうして完成した数本のマスターテープを編集して1曲でCD1枚の作品に仕上げるというもの。

なるほど、この方法ならメッセージを伝える意味でもインパクトがありますし、スケジュール的にも制作費的にも現実味があります。

しかし、この方法とて簡単ではありません。

日本盤のライナーによれば、全てのスタジオのレコーディングにはケヴィンとルパートが立ち会ったそうで、期間で言えば、1990年2月28日のニューヨークから4月28日のレニングラードまでまるまる2ヶ月間、この間に2人が旅した距離は 44,964マイル、世界26カ所のレコーディング・スタジオで、合計10,758フィートものテープを使用したのだとか。

もちろん、ジャンルは様々ですし、レコーディング環境も均一ではなかったでしょうから、この後、これだけの量のテープをスタジオで編集、加工して1曲にまとめるのはさぞかし骨の折れる作業だったことでしょう。

途中、数カ所でクロスフェード(フェードインとフェードアウトが重なり合う状態)で繋いでいる部分もあるのですが、決して安易に曲と曲を繋いでいるわけではなく、自然な流れの中で穏やかに曲調が変化してゆくように計算された編集のように聴こえます。

もちろん、テープ編集の際にやむなくクロスフェードという手法をとったのでしょうが、それを逆手に取って、長い1曲の中でのメリハリをつけるためのブレイクのような役割を持たせたのかも知れません。

しかし、全体的に見れば、こういった技法で繋いである部分は最小限に抑えられており、大半はゴドレイ&クレームのシングル「Cry」のプロモ・ビデオの顔のモーフィング映像のように曲調が変化してゆくのです。

ある意味、映画「エクソシスト」のテーマとして有名なマイク・オールドフィールド [ Mike Oldfield ] の『Tubular Bells』のような作りと言えなくもないのですが、これだけ多くのミュージシャンの個性がコラージュされた作品は他にはないでしょう。

実際にお聴きになれば、この面白さがおわかりいただけると思います。


ところで、本作は、これだけ長尺の曲が1曲だけですので、イメージ的にプログレや現代音楽のような小難しい印象を持たれる方がおられると思うのですが、基本的にはわかりやすく聴きやすいポップスの集合体です。

テーマや参加アーチストの顔ぶれをみてもわかるように、いわゆるワールド・ミュージック的な要素を多分に含んではいますが、パーツごとをクローズアップしてみると、ジャズやクラシック、プログレなど、どちらかと言えば難解なイメージを持たれがちなパーツの他に、ロックンロール、レゲエ、ネオアコなどのいわゆるポップス・フォーマットの聴きやすいサウンドも多く、さらっと流して聴けばDJがバラバラのジャンルの曲をうまくノンストップで繋いだアルバムのような印象を持たれると思います。

さらにじっくり聴けば、それぞれのパーツで様々なジャンルが交錯し合い、それらがカラフルな帯を紡ぐかのように入れ替わってゆくのを楽しんでいただけることでしょう。

残念ながら、私のよく知っているミュージシャンばかりではないため、どこでどのミュージシャンが何をしているのかを正確に解説することができないのですが、日本盤のライナーノーツにその辺りのことが詳しく書かれておりましたので、文章をそのまま一言一句変えることなく引用させていただきます(下線が入っているアーチスト名をクリックすると、以前書いた当ブログの関連記事に飛べます)。


--------以下 日本盤ライナーノーツより引用--------
「レコーディング自体はスティングによるベーシック・トラックの作曲と録音から始まったが(このベース・ラインをもとにミュージシャンはソロをとったり、ハーモニーを付けたり、もちろんアレンジして展開させていく)、アルバムはケヴィン・ゴドレイのメッセージで重々しく幕を開ける。「僕らは知っている。すべての物はつながっている。家族を結びつける”血”のように…」。最初のアコースティック・ギターはエグルト・ギスモンティ、ソプラノ・サックスはウェイン・ショーター(?)、ピアノ線をはじくのが坂本龍一、そしてリンガラ風リズムにのってテーマを奏でるのがレミー・オンガラとスーパー・マティミラ、続いてスティング、ドレッド、チャズ・リッチ、RMR、アフリカ・バンバータ、スティーヴ・スティーヴンス、ザ・フィクスのセッションがしばらく続く。途中でフィーチュアされるのはサックスのコートーニー・パイン、ニュー・ヴォイセス・オブ・フリーダムである。これもニューヨーク録音。エルメット・バスコアールのキーボード、S・スティーヴンスのアコースティック・ギター、ラップ・パート、そしてニューヨークのスタジオ・セッションが続く。ブレイク後、ヘルシンキ・レコーディングによるジプシー・キングス。おなじみのサウンドだが、途中でヌスラット・ファテ・アリ・ハーンがソロをとる(!)。ジプシー・キングスをバックにしたヌスラットの歌。他では聞けない。ブレイクのあと、LAからNATIVE LAND/THEMBALA-ZULU GROUP、A GROUP OF BEACH HIPPIES、A ONE MAN BANDの演奏、ローリー・アンダーソンも一瞬フィーチュアされる。そしてリオからサンバのパート。ア・ヴェラ・グアルダ・ダ・ボルテーラ、クララ・ソンドローニ、そしてサンバ・スクールの学生たち(?)が登場。一転してピーター・ガブルエルとジェフリー・オリヤマ、ミルトン・ナシメント、ウェイン、坂本、ギスモンティ、リトル・スティーヴン、スチュワート・コープランドらが登場する。ONE WORLD ONE VOICE,ONE HEART ONE TRIBE,ONE SOULとコーラスには世界中の街角のひとたちが参加。前半のヤマである。さらに、デイヴ・ステュアートとスピリチュアル・カウボーイズ、シェイクスピア・シスターズをフィーチュアしてLAのヒンズー・テンプルから展開。とにかくいろんなトラックがミックスされていて、書いていくとキリがないほど。一転してブラック・ウフルのレゲエ・パート。ギター・ソロはS・スティーヴンス、次第にレゲエとリンガラがクロスする。レミー・オンガラの強力なアジテイション、ヌスラットの叫びのような歌。いやはや驚くべき内容である。
 後半ではクラナド、スザンヌ・ヴェガ、ローリー・アンダーソン、マリア・マッキー、ジョニー・クレッグ、そしてミルトン・ナシメント、いまピーター・ガブリエルが一番気に入っているというジェフリー・オリヤマのすみきった歌声、ルー・リード、サリフ・ケイタ(美しい!)、そしてジョニー・クレッグのライヴ(このためにまるまる一曲作ったのだろうか?)、ハワード・ジョーンズ、ホッサム・ラムゼイ。鼓童などがフィーチュアされ(聞き落としがあるかもしれない)、いよいよフィナーレを飾るのはレニングラード・シンフォニー・オーケストラである。
 いくらテープをリレーしながらとはいえ、驚くべきこの編集力。トータル60分ちかく。ちゃんと起承転結があり、あらかじめ計算されていたようにも思えてしまう。」


以上のようにライナーでは解説されていたのですが、CDの裏ジャケットを見ると、チーフタンズ [ The Chieftains ] 、テレンス・トレント・ダービー [ Terence Trent D'Arby ] (=現・サナンダ・マイトレイヤ [ Sananda Maitreya ] )、ボブ・ゲルドフ [ Bob Geldof ] 、デイヴ・ギルモア [ David Gilmour ] 、エディ・グラント [ Eddy Grant ] 、クリッシー・ハインド [ Chrissie Hynde ] 、ペンギン・カフェ・オーケストラ [ Penguin Cafe Orchestra ] 、ロビー・ロバートソン [ Robbie Robertson ] 、ジョー・ストラマー [ Joe Strummer ] などの名前もクレジットされており、注意深く聴けば、それぞれのミュージシャンの個性的なプレイも確認できると思います。 

なお、YouTubeにアップされたフルサイズの『One World One Voice』のビデオ映像を発見しました。
12分割されていて、全てを見ると1時間ほどかかってしまうのですが、各アーチストの出演箇所がはっきりわかりますので、興味を持たれた方はお時間のある時にご覧ください。
かなり見応えがあると思いますよ。

 ↓(クリックでYouTube映像に飛びます)

One World One Voice part 1/12
One World One Voice part 2/12
One World One Voice part 3/12
One World One Voice part 4/12
One World One Voice part 5/12
One World One Voice part 6/12
One World One Voice part 7/12
One World One Voice part 8/12
One World One Voice part 9/12
One World One Voice part 10/12
One World One Voice part 11/12
One World One Voice part 12/12

ちなみに、上の映像とメイキング映像を収録したVHSビデオもアマゾンで販売していましたのであわせて紹介しておきます。
 ↓
One World One Voice [VHS] [Import]


さて、普通、このようなテーマの作品を大勢のアーチストで制作する時は、バンドエイドの『Do They Know It's Christmas』やN.M.L.『ZERO LANDMINE』のようにチャリティ形式をとることが多いように思うのですが、本作には売り上げを寄付するような意味の記述は一切ありません。

つまり、チャリティで集められたお金によって世界を救うわけではなく、音楽そのものによって一人一人の意識に「世界は一つ」であることを訴えかけているわけですね。

とはいえ、チャリティを否定しているわけではありません。

チャリティ・アルバムは確かに有意義なものだと思いますが、もし、世界中の人々全てが本当に「世界は一つ」という認識を持つことができれば、募金やチャリティといった呼びかけすら必要なくなるのかも知れません。

う~ん、深いテーマです。


 | HOME |  次ページへ»

Design byLoco-net::blog 
Copyright © 80's New Wave Laboratory.All rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。